大切な人には言えるのに、自分には言えない言葉
「あなたは要らない存在な訳ないじゃん!何言ってるの?!」
友人や大切な人が落ち込んでいるとき、私たちは本気でそう言葉をかけることができます。相手の存在そのものの価値を、これっぽっちも疑わずに信じているからですよね。
でも、いざ自分が同じような壁にぶつかったり、心が弱ってしまったりすると、急に景色が変わってしまいます。
「私って役に立たないよね…」 「私って要らない存在なのかな…」 「私は居ない方がいいのかな…」
不思議なことに、そんな悲しい問いかけを、今度は自分自身に向けて本気で考えてしまうことがあると思うんです。
心のクセをつくった、これまでの背景
なぜ、自分に対してだけは、こんなにも厳しくなってしまうのでしょうか。
それは、これまでの人生の中で「自分の存在が大切なんだよ」「自分のこういうところが素晴らしいよね」「話を聞いてくれてありがとう」といった、素直な想いや心からの感謝を言葉にして伝えられた経験が、どこか少なかったからなのだと思います。
逆に、「もっとこうして」「何でやってくれてないの」「あなたのせいで」という、誰かの不満や責めるような言葉を多く見聞きしてきたのではないでしょうか。
だって、周りから受け取ってきた言葉がトゲのあるものばかりだったら、自分を責める自動思考が身についてしまうのも無理はないじゃないですか。
過去にそんな望まない言葉を投げかけられ、傷ついてきた経験があったかもしれません。だからこそ、その痛みがわかる今、この気付いた機会をこれからの人生の活かし方へと変えていきたいのです。あの悲しさは、自分を否定するためではなく、これから新しい循環を生み出すための今を生きる源動力になっているのだと思うんです。
自分から始める、一雫の波紋
もう、諦めるのはやめにしませんか。まずは自分だけでも、大切な想いを周りに伝えていこうと思うのです。
今、この瞬間から、胸の内にある素直な想いや、心からの感謝を、ほんの少しの勇気と共に自分から届けてみる。それは、誰かではない自分自身の存在を大切にすることであり、確かにここにある想いを、体当たりで素直に届けようとする試みです。
どんなに大きな変化にも、必ずはじめの一歩があります。
自分が今、いちばん身近な人にかけたい言葉は、本当は自分自身が誰かに言ってほしかった言葉ではないでしょうか。
その小さな一雫が、水面に広がる波紋のようになって、そこから温かい循環が始まり、ゆっくりと広がっていくのだと思います。
たった一雫の、小さな言葉や行動かもしれません。でも、それを少しずつでも続けていくことが、やがて心地よい波となり、風となって、周りの世界に確かな影響を及ぼしていく。
そんなふうに、お互いの存在をそのまま認め、温かい実感を和かち合える関係を、自分の手から始めていけたら佳いなと思うんです。

