無自覚な継承を断ち切るために:自分の価値観の源泉を探る
価値観というものは、とかく個人の内面にあると思われがちですが、実はそれだけではありません。
自分自身で築き上げたものとは別に、家系的な価値観というものも存在しています。祖父母から親へ、親から子へ、そして子からまたその子へと、時を超えて受け継がれていくシステムがあるのです。
この「継承システム」を観ていかないと、往々にして子どもに「問題がある」とされてしまいがちです。しかし、子どもはリソースの面で最もパワーが少ない状態にあります。
外側から流れ込んだリソースの影響を受けた結果、その少ない選択肢の中から最善の行動をしているに過ぎないのです。
子どものサポートに力を入れても、家庭という場に戻ると、また同じことの繰り返しになってしまう…。
そう、問題(とされてしまう事柄)は、個々の人にあるのではなく、その場で構築されている関係性にあると言えるでしょう。
だからこそ、一人ひとりが自分の価値観が「どこから作られたのか」という源泉を深く観ていくことが大切になってきます。
特に「自分だけは正しくて、周りが誤っている」と思い込んでいる人ほど、注意が必要です。その信念の土台が、無自覚に受け継いだ価値観の上に成り立っている可能性があるからです。
どこかの時点で気付き、その継承システムを意識的に観ていかないと、自分の意図とは関係なく、無自覚に次世代へと継承されていってしまうかもしれません。
自分の価値観のルーツを辿り、今一度、その影響を見つめ直すことが、未来を変える第一歩となるはずです。

