不快な感情は「敵」ではなく「リソース」と捉える
私たちは日々の生活の中で、様々な感情を経験します。
嬉しい、楽しい、ワクワクするといった「快」の感情もあれば、怒り、悲しみ、不安、イライラといった「不快」な感情もあります。
一般的に、ポジティブな感情は良いもの、ネガティブな感情は悪いものと捉えられがちです。
でも、もし私たちが「不快な気持ちや感情も、ポジティブであり、自分のリソースである」と捉えることができたら、どうなるでしょうか?
この視点を持つことで、どんな感情も「自分にとって必要なものが湧き起きている」と認識できるようになります。
つまり、不快な感情を「否定すべきもの」から、「そこに存在する意味のあるもの」へと変化させることができるようになります。
多くの場合、私たちは「ポジティブ=プラス、ネガティブ=マイナス」という図式で感情を評価しがちです。その結果、
- 「快」は良いけれど、「不快」は悪いもの。
- 不快なものは、自分をダメにする。
- 不快を感じる自分はダメだ。
- だから、不快な感情は感じないようにしよう。
このような思考パターンに陥ってしまいます。
自分に湧き起こっている「在る」感情を「無いこと」にしようとする否定の世界です。
自分の感情の一部を切り離そうとするのと同じように…
不快な感情も、私たちにとってかけがえのない大切な情報源であり、生きていくために必要な糧となる「リソース」だと考えたら何が観えますか?
不快な感情は、私たちに何かを教えてくれているサインかもしれません。
例えば、怒りは「自分の価値観が無いことにされている」ことを、不安は「準備が必要なことがある」ことを、イライラは「現状を変えたい」という欲求を示している可能性があります。
これらの感情を「悪いもの」として排除しようとするのではなく、「これは自分にとって何を教えてくれようとしているのだろう?」と問いかけることで、感情との向き合い方が大きく変わります。それは、足し算引き算のような単純なプラスマイナスの話ではありません。
不快な感情もまた、「在る」ものとして受け入れ、その存在を認めること。
この視点こそが、私たちが感情と手を繋ぎ、深い自分を知るための手がかり、足掛かりになるのだと思います。
自分の不快な感情は、決して自分をダメにするものではありません。
それは、自分自身が持つ、かけがえのない「リソース」なのですから。