「仕事」と「働き」を考える
日々の活動の中で、「仕事」と「働き」という言葉を同じ意味で使っているかもしれません。しかし、立ち止まってその意味を深掘りすると、この二つは必ずしもイコール(=)ではないことに気づかされます。
語源から考える「仕事」と「働き」
- 仕事(しごと):もともとは「仕える事」という意味合いがあります。組織や役割、与えられたタスクに対して奉仕すること、といった側面が強いです。
- 働く(はたらく):漢字を分解すると「人」が「動」き「傍(はた)」を「楽(らく)」にする、つまり人が動いて周りの人を楽にすることだと解釈されることがあります。
この解釈に基づくと、「仕事」は与えられた役割やタスクに焦点を当てているのに対し、「働き」はその存在が周囲にもたらす価値や影響に焦点を当てています。
「傍を楽にする」という意識を持つ
自分が今取り組んでいることが、「傍(周り)を楽にしているのか、そうでないか」を意識してみる。
この視点を持つだけで、仕事(能力貢献)=働き(存在貢献)となるように、自分の行動をデザインし直すことができます。
仕事=働きと意識して行動すると、不思議なことに、周りの状況や全体の流れがクリアに見え始めます。
競争に焦点を当て、自分の役割だけをこなすという視点から、共創(共に創ること)という全体像が観えやすくなるのです。
自分が創造する「働き」の価値
競争社会の中で、誰かを蹴落とすのではなく、周りを楽にするという「働き」の意識を持つ。その小さな意識の変化が、より生産的で、より満たされた働き方、そして生き方へと自分を導いてくれる気がします。
目の前のタスク(仕事)が、誰かの笑顔や安心(働き)につながっているか。この問いを軸に据えることが、自分にとっての真の価値を見出す鍵となるでしょう。