私たちが本当に求めているコミュニケーションの本質とは?
1. 言葉の裏側にある「ただ感じたい」という衝動
私たちは日常で「言葉」を使ってコミュニケーションを取っているつもりになっています。しかし、本当にそうでしょうか?
自分も、相手に対して「わかってほしい」というよりも、「分かってもらえたことを感じたい」と思っているのではないでしょうか。言葉の向こう側にある、そのフィーリングを感じたい。それこそが、コミュニケーションの出発点です。
もし「どうせ分かってもらえない」と無意識で諦めているなら、私たちのアクションは複雑で、ややこしいものになってしまいます。本当に求めているものは、とてもシンプルなのです。
2. 「共同体感覚」で言葉は自分自身に伝わる
真に響き合うコミュニケーション、つまり「共同体感覚」をベースにした表現は、「自分は何を感じたいと願っているのか」を言語を使って表現する行為です。
不思議なことに、その「想い」を音として発したとき、それは相手に伝わるだけでなく、自分自身にも伝わります。
そして、相手が自分の表現の裏にある感情を「感じよう」としてくれ、その上で彼らが感じたことを表現してくれるとき、私たちは自分だけでは感じきれていなかった感情の深部へと、理解を深めていくことができるのです。
自分の頭の中だけで考えていることには、必ず限界があります。
3. ロジックを超えた「共鳴」を生む起点とは
私たちの願いは、より多くの人と「ネットワーク的」に共鳴し合うことではないでしょうか。そのための鍵は、「どんな想いを起点に伝えるのか」です。
ロジックが完璧でなくても、感情の源泉、つまり「自分は何を感じたいのか、感じたいからやっていることは何か」というピュアな想いから発せられたメッセージは、必ず伝わる人には伝わります。理屈や正しさよりも、心の震えが先に届くからです。
4. 正解・不正解ではない「翻訳」の精度を上げるために
コミュニケーションの本質は、どちらが正しいか、間違っているかという「正解・不正解」ではありません。それは、互いの世界を翻訳し合う作業です。
この「翻訳」の精度を上げるために、私たちに必要なのは、互いに「そこには何が在るのか」という核心的な感情や想いを、「感じることを諦めない」姿勢で居続けることです。
自分も相手も、この世界に在る「何か」を感じることを諦めない。その諦めのなさこそが、言葉の壁を越え、こころが響き合う真のコミュニケーションへと私たちを導いてくれるはずです。

